なぜ新規ビジネスに設計のオフショアを選んだのか?- 後編

Work

前回の続き

ここからがなぜオフショアをやるようになったかの本編だ。

前職ではフロンティアコンサルティングという会社でデザイナーとして入社して、その後デザインのオフショア部隊立ち上げの為にベトナムに赴任することになった。

 

実際に赴任をした後に急ピッチで

  • 法人の立ち上げ
  • オフィスの確保
  • 人材の採用

を行っていった。

 

この時期本当にラッキーだと思うのは、スタートアップで非常に素晴らしい人間を採用出来た事だった。

 

 

ハイ、フン、トアンアイン、それぞれ別の経緯での採用だったが、彼らを採用出来たのは本当にラッキーだったと思う。

彼らは今考えても非常に優秀で個性的であった。

ハイ:非常に論理力にすぐれており常に的確に物事を遂行する能力があった。そして我慢強く従順であった

 

フン:女性ならではクリエイティブ性を発揮してくれて、笑顔と感情性が入り混じった。一番人懐っこいタイプの人間であった。前職では一番最初に採用できた人間。その分私と衝突することも多く、口論になり「あなたの事が嫌いなので、私は辞める!」と言われた事もあったが、今でも交流がある

 

トアンアイン:背が高く、ハンサムで、頭も良い。何でも揃ったタイプの人間だった。当時入社した時はまだ経験が浅く出来ない事も多かったが、自分で考えて行動するという事が出来る人間だった。主体性を持った人間で衝突は多かったが、最後には信頼関係を築く事が出来た。

 

一番最初の立ち上げ時はこの3人を教育することから始まった。

 

ただし難しかったのは教育するにしても私には当時はペーペーで教育研修の方法が分から無かったので、トライアンドエラーでやっていった。

 

3ヶ月ほどするとみんな頭の良さを発揮して、仕事を覚えていった。

 

ベトナムが初めての海外拠点だったので、日本側のデザイナーは当初日本人以外と仕事をすることに戸惑いを見せていた。

 

それがしばらく経つとみんな慣れていき、日越のデザイナーで仕事をするのが普通になっていった。

 

そして増員もしたのでオフィスを移転せざるを得なくなった。

当初は知り合いのオフィスに間借りをしていたが、ようやく自分たちのオフィスを持てるようになった。

これは本当に嬉しい瞬間だった。

 

そして、1年半程経つと人数も10名程に増えて、ある変化に気がつくことになった。

 

それは・・・

 

日本人デザイナーのクオリティが上がっている!

 

オフショア拠点を立ち上げた当初は、ベトナムでは日本側の成果物の全てを受けとめられていなかった。

 

しかし1年半が経つ頃には仕組みとして周り始めて、ベトナム拠点ありきでデザインプロセスが進むようになっていった。

 

するとみんな今までは案件を「こなす」事で精一杯だったのに、時間的な余裕を持てるうようになってきた。

 

その時間を使い

  • デザインを考える為に使う時間を増やす
  • 勉強会に参加する
  • 内装の新製品の発表会には積極的に顔を出す
  • プレゼンに同行する
  • 休日を楽しむ

というイエローストーンに狼を導入した時のような、外注から開ける世界の変化が訪れた。

 

当時は私が全て案件のブリッジとして日越の全案件のチェックをしていたから、この変化は大きく感じた。

 

今まではデザインを魅力的に見せるために、格好良く見えるテクニックや素材を使ったりしていたのが、強いコンセプトを持った提案に変わっていった

 

誤解を恐れずに例えるとこんな感じだろうか

  • 外注前:ブスが化粧でなんとか美人に見えるように努力
  • 外注後:ブスだったが、ワークアウトしてメリハリボディを手に入れて、ファッションセンスを磨き、教養を身につけ美人になっていく

というような感覚だった。

 

ひと目見て分かるような別次元での提案になっていった。

繰り返しになるが、今までは休日返上での仕事だったから日本側のデザイナーは仕事の1件1件に集中するのは非常に難しかった。

 

しかし外注することによって、時間的な余裕が生まれたのともう1つ重要な事があった。

 

みんな自分で一から全部やらなくて良いというプレッシャーから解放された事も大きかった。

 

ベトナムで請け負っていたのはデザインイメージの清書作業だった。

良いデザインというのが頭の中に浮かんでいても、それを実際に自分で作っていくとなると気が重い部分が出てくる。

外注する場合というのは「私の技術で作れるかな?」というイメージ製作の実作業は考えなくて良い。

 

会社でも取締役と執行役員が分けられている。これは作戦を考える部隊と実行する部隊をバラバラにしておいた方が効率が良いからだ。

 

デザインの現場でもこれは全く一緒で。

デザイナーはアイデアを膨らます事に全力を尽くし、ベトナム拠点はそれを製作することに全精力を注いだ。

下記は前の記事と同様の内容だが、左下のような指示書だけで右側のようなデザインイメージが上がってくる。

今まで違い自分で作成する手間が省けた事でより一層デザイナーとしての可能性のリミッターが外れていった。

清書前の指示書 清書後のデザイン

 

 

本題に戻って「なぜオフショア?」という所に戻ると、日本では今後益々設計者・デザイナーの人員不足に悩まされる。

 

その時にこういう清書作業は誰でも出来る作業だ。日本の少ないリソースを使ってやる業務ではなく、もっと人件費が安く技術力も高い外国に振るのが一番効率的だ。

 

激しい競争で生き抜く為に私は日本の会社はもっと効率的な人の使い方を考えて、その人しか取り組めないクリエイティブな作業に費やして欲しいと思っている。

 

そこを支えたいという思いで、建築と内装のオフショア設計の分野で起業することにした。

長く書いて結論がわかりづらくなってしまったので纏める。

建築・内装デザインのオフショアをやろうと思った理由はこの通り

  • 日本の設計士不足の受け皿になれる
  • 優秀な人材を安価で使う機会を提供出来る
  • 顧客のデザイン力アップに繋がる
  • 最新テクノロジーを使ったサービスを提供出来る

 

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